80代前半の男性 側頭葉てんかん
適切な診断が適切な治療に結びついた例
側頭葉てんかんの方の利用事例
ご高齢のご本人と妻の二人暮らし。
1年ほど前から歯がはえ変わるや胃から食べ物が出てくるなどの訴えが出現しました。
もうすぐ死ぬ、僕はもうだめだなど、不安症状が強く、妻も介護疲れが強くなってきました。
地元の診療所の医師からは精神科の治療を勧められました。早速地元の精神科に通院するも、よくわからないから専門医に診てもらうよう勧められました。
しかし、適切な紹介もなかったため、専門医の当てなどなくこのまま様子を見ていくことにしたそうです。
しだいに、元気もなくなり心配になったのでご家族が地域包括支援センターに相談に行きました。
認知症に詳しいケアマネジャーを紹介され契約することになりました。
ケアマネから認知症対応型のデイサービスの利用を勧められました。
デイサービスが症状を詳しく観察し認知症の専門医を紹介。
最初の診療では歯が抜けることや不安症状に焦点が当てられ、不安障害と身体表現性疾患と診断。
服薬による治療が開始されました。
デイサービスも利用開始し、体調が不安定ながらもかろうじてデイサービスに通うことができるようになりました。妻のレスパイトと、本人の体調も少しづつ良くなり始め改善の兆しがみられました。
数週間経過し、さらなる治療として就寝前の服薬が一部変更になりました。しかし悪いことに、2週間もしないうちに様子がおかしくなり始めます。
精神症状が一日間にのコロコロと変わり、暴言暴力がみられるようになる。悪い時には目が座っているようになり介護が難しい状態になってしまいました。
このまま様子観察するには症状が激烈なので、次の定期受診を待たずに、医師にすぐに相談し服薬を前の状態に戻すことになりました。
しかしすぐには症状が改善せず、デイサービスと医師とで情報交換を行うことにしました。
①精神状態が悪い時には目が座る
②良い時には普通に会話できる
③胃の上部の不快感
④口をもごもご動かす
等の症状を確認したところ、側頭葉てんかんと診断されました。
そこで、てんかんの薬が処方されました。
服薬し始めると数日で症状が緩和しデイサービスに再び通うことができるようなりました。
このことから、専門的なデイサービスを利用することと専門医(今回の場合脳神経内科)を主治医に持つことで、専門的な情報交換をすることができました。そのことにより的確な診断を受けることができ、服薬も適切になり、症状も改善しました。